地下水の環境基準とは

地下水の環境基準値と分析方法


1.環境基準
環境基準は、すべての地下水につき、下表の項目の欄に掲げる項目ごとに、同表の基準値の欄に掲げるとおりとする。

2.地下水の水質の測定方法等
環境基準の達成状況を調査するため、地下水の水質の測定を行う場合には、次の事項に留意することとする。
(1)測定方法は、下表の測定方法の欄に掲げるとおりとする。
(2)測定の実施は、別表の項目の欄に掲げる項目ごとに、地下水の流動状況等を勘案して、当該項目に係る地下水の水質汚濁の状況を的確に把握できると認められる場所において行うものとする。


表-地下水の環境基準値と分析方法

項  目

基準値

測定方法

クロロエチレン(塩化ビニル又は塩化ビニルモノマー)

0.002mg/l以下
付表に掲げる方法

四塩化炭素
(テトラクロロメタン)

0.002mg/l以下
日本工業規格(以下「規格」という。)K0125の5.1、5.2、5.3.1、5.4.1又は5.5に定める方法

ジクロロメタン

0.02mg/l以下
規格K0125の5.1、5.2又は5.3.2に定める方法

1,2-ジクロロエタン

0.004mg/l以下
規格K0125の5.1、5.2、5.3.1又は5.3.2に定める方法

1,1-ジクロロエチレン

0.1mg/l以下
規格K0125の5.1、5.2又は5.3.2に定める方法

1,2-ジクロロエチレン

0.04mg/l以下
シス体にあっては規格K0125の5.1、5.2又は5.3.2に定める方法、トランス体にあっては、規格K0125の5.1、5.2又は5.3.1に定める方法

1,1,1-トリクロロエタン

1mg/l以下
規格K0125の5.1、5.2、5.3.1、5.4.1又は5.5に定める方法

1,1,2-トリクロロエタン

0.006mg/l以下
規格K0125の5.1、5.2、5.3.1、5.4.1又は5.5に定める方法

トリクロロエチレン

0.01mg/l以下(※1)
規格K0125の5.1、5.2、5.3.1、5.4.1又は5.5に定める方法

テトラクロロエチレン

0.01mg/l以下
規格K0125の5.1、5.2、5.3.1、5.4.1又は5.5に定める方法

1,3-ジクロロプロペン

0.002mg/l以下
規格K0125の5.1、5.2又は5.3.1に定める方法

ベンゼン

0.01mg/l以下
規格K0125の5.1、5.2又は5.3.2に定める方法

1,4-ジオキサン

0.05mg/l以下
公共用水域告示付表8に掲げる方法

カドミウム

0.003mg/l以下(※2)
日本工業規格K0102の55.2、55.3又は55.4に定める方法に定める方法

六価クロム

0.05mg/l以下
規格K0102の65.2(規格K0102の65.2.7を除く。)に定める方法(ただし、規格K0102の65.2.6に定める方法により塩分の濃度の高い試料を測定する場合にあっては、規格K0170-7の7のa)又はb)に定める操作を行うものとする。)

総水銀

0.0005mg/l以下
公共用水域告示付表2に掲げる方法

アルキル水銀

検出されないこと。
公共用水域告示付表3に掲げる方法

0.01mg/l以下
規格K0102の54に定める方法

ヒ素

0.01mg/l以下
規格K0102の61.2、61.3又は61.4に定める方法

全シアン

検出されないこと。
規格K0102の38.1.2(規格K0102の38の備考11を除く。以下同じ。)及び38.2に定める方法、規格K0102の38.1.2及び38.3に定める方法、規格K0102の38.1.2及び38.5に定める方法又は昭和46年12月環境庁告示第59号(水質汚濁に係る環境基準について)(以下「公共用水域告示」という。)付表1に掲げる方法

セレン

0.01mg/l以下
規格K0102の67.2、67.3又は67.4に定める方法

フッ素

0.8mg/l以下
規格K0102の34.1(規格K0102の34の備考1を除く。)若しくは34.4(妨害となる物質としてハロゲン化合物又はハロゲン化水素が多量に含まれる試料を測定する場合にあっては、蒸留試薬溶液として、水約200mlに硫酸10ml、りん酸60ml及び塩化ナトリウム10gを溶かした溶液とグリセリン250mlを混合し、水を加えて1,000mlとしたものを用い、規格K0170-6の6図2注記のアルミニウム溶液のラインを追加する。)に定める方法又は規格K0102の34.1.1c)(注(2)第三文及び規格K0102の34の備考1を除く。)に定める方法(懸濁物質及びイオンクロマトグラフ法で妨害となる物質が共存しないことを確認した場合にあっては、これを省略することができる。)及び公共用水域告示付表7に掲げる方法

ホウ素

1mg/l以下
規格K0102の47.1、47.3又は47.4に定める方法

硝酸性窒素及び
亜硝酸性窒素

10mg/l以下
硝酸性窒素にあっては規格K0102の43.2.1、43.2.3、43.2.5又は43.2.6に定める方法、亜硝酸性窒素にあっては規格K0102の43.1に定める方法

シマジン

0.003mg/l以下
公共用水域告示付表6の第1又は第2に掲げる方法

チウラム

0.006mg/l以下
公共用水域告示付表5に掲げる方法

チオベンカルブ

0.02mg/l以下
公共用水域告示付表6の第1又は第2に掲げる方法

ポリ塩化ビフェニル
(PCB)

検出されないこと。
公共用水域告示付表4に掲げる方法

※1:H26年11月に、0.03から0.01mg/lへ見直された。
※2:H23年10月に、0.01から0.003mg/lへ見直された。

備考

1基準値は年間平均値とする。ただし、全シアンに係る基準値については、最高値とする。

2「検出されないこと」とは、測定方法の欄に掲げる方法により測定した場合において、その結果が当該方法の定量限界を下回ることをいう。

3硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素の濃度は、規格K0102の43.2.1、43.2.3、43.2.5又は43.2.6により測定された硝酸イオンの濃度に換算係数0.2259を乗じたものと規格K0102の43.1により測定された亜硝酸イオンの濃度に換算係数0.3045を乗じたものの和とする。

41,2-ジクロロエチレンの濃度は、規格K0125の5.1、5.2又は5.3.2により測定されたシス体の濃度と規格K0125の5.1、5.2又は5.3.1により測定されたトランス体の濃度の和とする。


付表

クロロエチレンの測定方法

第1パージ・トラップ-ガスクロマトグラフ質量分析法

1試薬

(1)公共用水域告示付表8の第2の1の(1)に掲げる水

(2)公共用水域告示付表8の第2の1の(2)に掲げるメタノール

(3)塩化ビニル標準ガス

純度99%以上のクロロエチレンを含むもの

(4)塩化ビニル標準原液(100μg/ml)

5,000μgの塩化ビニルを含む塩化ビニル標準ガスをガスタイトシリンジに採り、バイアル中のメタノール(あらかじめ65mlバイアル中にメタノール50mlを入れ、四ふっ化エテン樹脂フィルム、シリコーンゴム栓及びアルミシールで栓をし、氷水等を用いて冷却したもの)に溶解したもの(注1)(注2)

(5)塩化ビニル標準液(1μg/ml)

メタノールを50〜90ml程度入れた100ml全量フラスコに、塩化ビニル標準原液1mlを採り、メタノールで100mlとしたもの

(6)内標準原液(100μg/ml)

5,000μgの塩化ビニル-d3を含む塩化ビニル-d3標準ガスをガスタイトシリンジに採り、バイアル中のメタノール(あらかじめ65mlバイアル中にメタノール50mlを入れ、四ふっ化エテン樹脂フィルム、シリコーンゴム栓及びアルミシールで栓をし、氷水等を用いて冷却したもの)に溶解したもの(注1)(注2)(注3)

(7)内標準液(1μg/ml)

メタノールを50〜90ml程度入れた100ml全量フラスコに、内標準原液1mlを採り、メタノールで100mlとしたもの

(注1)濃度保証された市販の分析用標準液等を用いてもよい。

(注2)使用時に調製する。ただし、調製した標準品を直ちに冷却し、氷水等を用いた冷却条件下でアンプルに移し、溶封して冷暗所に保存すれば1〜3か月は保存できる。
それ以上の期間を経過したものは、純度を確認してから使用する。

(注3)塩化ビニルは、常温でガス状の物質であり、分析操作で揮散しやすく、測定上の妨害も受けやすいことから、安定同位体標識化合物(塩化ビニル-d3)を内標準物質として用いることとする。塩化ビニル-d3以外に適当な物質があれば、内標準物質として用いてもよい。


2器具及び装置

(1)公共用水域告示付表8の第2の2の(1)に掲げる試料容器

(2)パージ・トラップ装置(注4)(注5)

(a)公共用水域告示付表8の第2の2の(2)の(a)に掲げるパージ容器

(b)公共用水域告示付表8の第2の2の(2)の(b)に掲げるパージ容器恒温装置

(c)公共用水域告示付表8の第2の2の(2)の(c)に掲げるトラップ用管

(d)トラップ管充てん剤

2,6-ジフェニル-1,4-ジフェノキシドポリマー(粒径177〜250μm又は250〜500μm)を含み、かつ、シリカゲル(粒径250〜500μm)、活性炭(粒径250〜500μm)又はこれらと同等の性能をもつもの(注6)を含むもの

(e)トラップ管

トラップ管充てん剤をトラップ用管に充てん(注7)したもの(使用に先立って、ヘリウムを毎分20〜90mlで流しながら、トラップ管の再生温度で30〜60分間加熱する(注8)。)

(f)公共用水域告示付表8の第2の2の(2)の(f)に掲げるトラップ管加熱装置

(g)公共用水域告示付表8の第2の2の(2)の(g)に掲げるパージガス

(h)冷却凝縮装置(注9)

内面に不活性処理を施した内径0.53mmのステンレス管、内径0.32〜0.53mmの石英ガラス管又はキャピラリーカラムで、凝縮時に-30℃以下に冷却ができ、かつ、脱着時には1分間以内にカラム槽の温度まで、又は200℃程度に加熱できるもの

(3)ガスクロマトグラフ質量分析計(注10)

(a)公共用水域告示付表8の第2の2の(3)の(a)に掲げるガスクロマトグラフ

(b)公共用水域告示付表8の第2の2の(3)の(b)に掲げる質量分析計

(注4)あらかじめ装置の取扱説明書等に従って洗浄し、試験操作に支障がないことを確認する。

(注5)パージ・トラップ装置の最適条件は、吸着剤の種類や使用量等によって異なるので、十分な回収が得られる条件をあらかじめ求めておく。パージ条件は、トラップ管の破過容量を超えないよう注意する。

(注6)2,6-ジフェニル-1,4-ジフェノキシドポリマーは、TenaxTA等の名称で市販されている。

(注7)通常は、2,6-ジフェニル-1,4-ジフェノキシドポリマーを単独で用いることもあるが、シリカゲル若しくは活性炭又はシリカゲル及び活性炭を併せて用いてもよい。この場合、あらかじめ対象とする揮発性有機化合物が定量的に吸着又は脱着されることを確認しておく。シリカゲルを用いた場合には、水分除去の操作を必ず行う。

(注8)トラップ管は、この他に試料の測定ごとに、再生温度(約180〜280℃)でヘリウムの流量を毎分20〜90mlとして、10分間程度通気する。

(注9)クライオフォーカス装置ともいう。検出ピークを鋭くするために、トラップ管の後段に位置し、トラップ管で加熱脱着した揮発性有機化合物の吸着帯を狭める装置であるが、この装置を用いないで検出ピーク幅を狭める機能を備えているものもある。

(注10)用いるガスクロマトグラフ質量分析計やカラムにより最適な条件を設定する。例えば、内標準物質又は揮発性有機化合物を用いて、4に準じて操作をし、0.5ngが検出できる感度に調節しておく。


3試料の採取及び保存は、公共用水域告示付表8の第2の3に定める方法による。

4試験操作

(1)測定用試料の調製

試料の適量(0.5〜25mlの一定量、例えば5ml)を泡立てないようにパージ容器に全量ピペット等で静かに注入し、内標準液(塩化ビニル-d3)を加えて0.5μg/Lとなるようにし、測定用試料とする(注11)。

(2)空試験液の調製

試料と同量の水を用いて(1)と同様に操作して得られる液を、空試験液とする(注11)(注12)。

(3)添加回収試験液の調製

パージ容器中の試料に塩化ビニル標準液を加えて0.05〜5μg/Lとし、更に内標準液(塩化ビニル-d3)を加えて0.5μg/Lとなるようにして得られる液を添加回収試験液とする(注11)(注13)。

(4)分析

(a)パージ容器をパージ容器恒温装置に入れ、試料の温度を一定(例えば、40℃以下)にする。トラップ管の温度が室温程度であることを確認して、パージガスを一定量通気して対象物質を気相中に移動させてトラップ管に捕集する。

(b)トラップ管を加熱し対象物質を脱着させ、冷却凝縮装置に吸着(注14)させる。次に、冷却凝縮装置を加熱(注14)し、対象物質をガスクロマトグラフ質量分析計に導入する。

(c)ガスクロマトグラフ質量分析では、あらかじめ設定した特有の質量数について選択イオン検出法又はこれと同等の方法によって測定を行い、そのクロマトグラムを記録する。特有の質量数の例として、塩化ビニルでは62、64、内標準(塩化ビニル-d3)では65、67がある(注15)。

(d)保持時間並びに定量用質量数及び確認用質量数のイオン強度比を確認し、該当するピーク面積を測定する。

(e)塩化ビニル及び内標準(塩化ビニル-d3)のピーク面積比並びに内標準(塩化ビニル-d3)の添加量から、あらかじめ5により作成した検量線を用いて、塩化ビニルの量を求め、次式によって試料中の塩化ビニル濃度を計算する(注16)。

濃度(μg/L)=(検出量(μg)-空試験液の検出量(μg))/試料量(L)

(注11)装置によっては、パージ容器の代わりにバイアルを用いる。測定用試料をバイアル中で調製した場合は、バイアルをパージ・トラップ装置にセットし、パージ・トラップ装置の取扱説明書等に従って操作し、測定用試料の一部又は全量をパージ容器に移し入れる。

(注12)空試験値については、可能な限り低減化を図る。

(注13)試料中の対象物質濃度や試験操作条件に応じて適切な濃度範囲を決める。実試料を分析する前に添加回収試験を行い、塩化ビニルの回収率が70〜120%であることを確認する。

(注14)冷却凝縮装置を使用しない場合は、この操作は省略できる。

(注15)特有の質量数は、イオン強度が大きく、実試料で妨害のないものを設定する。ここで示した例を参考に、最適な質量数を2つ選定し、強度の大きいものを定量用、他方を確認用とする。

(注16)塩化ビニルは、その保持時間が加えた内標準(塩化ビニル-d3)の保持時間と一致し、検量線作成時の保持時間に対して±5秒以内に出現し、かつ、定量イオンと確認イオンの強度比が検量線作成時の強度比の±20%以内であれば、測定試料中に存在しているとみなす。


5検量線の作成

塩化ビニル標準原液をメタノールで希釈し、0.25〜25μg/mlの塩化ビニル標準液を調製する。

4の(1)に従って、試料と同量の水に塩化ビニル標準液を加えて0.05〜5μg/Lとし、更に内標準液(塩化ビニル-d3)を加えて0.5μg/Lとなるようにする(注13)。

これについて、試料と同様にパージ・トラップ-ガスクロマトグラフ質量分析計による測定を行い、塩化ビニル及び内標準(塩化ビニル-d3)の含有量比及びピーク面積比による検量線を作成する。

第2ヘッドスペース-ガスクロマトグラフ質量分析法

1試薬

(1)公共用水域告示付表8の第2の1の(1)に掲げる水

(2)公共用水域告示付表8の第3の1の(2)に掲げる塩化ナトリウム

(3)公共用水域告示付表8の第2の1の(2)に掲げるメタノール

(4)第1の1の(3)に掲げる塩化ビニル標準ガス

(5)第1の1の(4)に掲げる塩化ビニル標準原液(100μg/ml)

(6)第1の1の(5)に掲げる塩化ビニル標準液(1μg/ml)

(7)第1の1の(6)に掲げる内標準原液(100μg/ml)

(8)第1の1の(7)に掲げる内標準液(1μg/ml)

2器具及び装置

(1)公共用水域告示付表8の第2の2の(1)に掲げる試料容器

(2)公共用水域告示付表8の第3の2の(2)に掲げるヘッドスペース装置

(3)ガスクロマトグラフ質量分析計(注17)

(a)公共用水域告示付表8の第3の2の(3)の(a)に掲げるガスクロマトグラフ

(b)公共用水域告示付表8の第2の2の(3)の(b)に掲げる質量分析計

(注17)用いるガスクロマトグラフ質量分析計やカラムにより最適な条件を設定する。例えば、内標準物質又は揮発性有機化合物を用いて、4に準じて操作をし、0.2μg/Lが定量できる感度に調節しておく。

3試料の採取及び保存は、公共用水域告示付表8の第2の3に定める方法による。

4試験操作

(1)測定用試料の調製

(a)バイアルに試料10mlにつき塩化ナトリウム3gを加える(注18)。

(b)試料の適量(10〜100mlの一定量、例えば10ml)(注19)を泡立てないようにバイアルに全量ピペット等で静かに注入し、内標準液(塩化ビニル-d3)を加えて4μg/Lとなるようにし、測定用試料とする。

(c)直ちに四ふっ化エテン樹脂フィルムを載せ、バイアル用ゴム栓をし、その上からアルミニウムキャップを載せ、アルミニウムキャップ締め器でバイアルとバイアル用ゴム栓を固定する。

(d)バイアルを塩化ナトリウムが溶けるまで振り混ぜた後、25〜70℃の範囲で設定した恒温槽で、30〜120分間静置する。

(2)空試験液の調製
試料と同量の水を用いて(1)と同様に操作して得られる液を、空試験液とする(注20)。

(3)添加回収試験液の調製

バイアル中の試料に塩化ビニル標準液を加えて0.1〜50μg/Lとし、更に内標準液(塩化ビニル-d3)を加えて4μg/Lとなるようにして得られる液を添加回収試験液とする(注19)(注21)。

(4)分析

(a)バイアル用ゴム栓を通して、ガスタイトシリンジ(注22)を用いて気相の一定量を採り、直ちに公共用水域告示付表8の第3の2の(3)の(a)の(オ)の試料導入方法によってガスクロマトグラフ質量分析計に注入する。

(b)質量数による測定は、第1の4の(4)の(c)に掲げる方法による。

(c)保持時間並びに定量用質量数及び確認用質量数のイオン強度比を確認し、該当するピーク面積を測定する。

(d)試料中の塩化ビニル濃度の計算は、第1の4の(4)の(e)に掲げる方法による。

(注18)塩化ナトリウムの添加は、試料の塩類濃度の違いによる測定値の変動を防ぐとともに、塩析効果による感度増加を考慮したものである。なお、試料採取量を変えた場合は、採取量に応じて塩化ナトリウムの添加量を増減させるとよい。

(注19)バイアル中の気相の割合が15〜60%になるように試料又は水を採取する。

(注20)空試験値については、可能な限り低減化を図る。

(注21)試料中の対象物質濃度や試験操作条件に応じて適切な濃度範囲を決める。実試料を分析する前に添加回収試験を行い、塩化ビニルの回収率が70〜120%であることを確認する。

(注22)検量線作成に用いたものと同じものを用いる。ただし、恒温槽の温度が30℃以上の場合、バイアルの気相の試料採取時には、ガスタイトシリンジを同じ温度以上に保温する。

5検量線の作成

塩化ビニル標準原液をメタノールで希釈し、1〜500μg/mlの塩化ビニル標準液を調製する。

4の(1)に従って、試料と同量の水に塩化ビニル標準液を加えて0.1〜50μg/Lとし、更に内標準液(塩化ビニル-d3)を加えて4μg/Lとなるようにする(注21)。

これについて、試料と同様にヘッドスペース-ガスクロマトグラフ質量分析計による測定を行い、塩化ビニル及び内標準(塩化ビニル-d3)の含有量比及びピーク面積比による検量線を作成する。

備考

1第1の方法は、規格K0125の「5.1パージ・トラップ-ガスクロマトグラフ質量分析法」に規定された方法に基づいており、ジクロロメタンやベンゼン等の塩化ビニル以外の揮発性有機化合物の標準物質及び必要な内標準物質(フルオロベンゼン、4-ブロモフルオロベンゼン等)を追加し、塩化ビニルの揮発性の高さに留意した試験操作を行うことで同時分析が可能である。

2第2の方法は、日本工業規格K0125の「5.2ヘッドスペース-ガスクロマトグラフ質量分析法」に規定された方法に基づいており、ジクロロメタンやベンゼン等の塩化ビニル以外の揮発性有機化合物の標準物質及び必要な内標準物質(フルオロベンゼン、4-ブロモフルオロベンゼン等)を追加し、塩化ビニルの揮発性の高さに留意した試験方法を行うことで同時分析が可能である(ただし、水によく混和し、水からの揮発性の低い1,4-ジオキサンは除く。)。

3これらの測定法の定量下限は、いずれも0.2μg/Lである。

4ここに示す商品は、これらの測定法使用者の便宜のために、一般に入手できるものとして例示したが、これらを推奨するものではない。これと同等以上の品質、性能のものを用いてもよい。

5この測定方法における用語の定義その他この測定方法に定めのない事項については、規格に定めるところによる。





土壌汚染調査・対策なら−〔千葉県〕土壌汚染対策課サイトTOPへ
土壌汚染調査/対策
 土壌汚染とは

 全国の土壌汚染の指定区域

 土壌汚染対策法(関連法) 仕組み

 土壌汚染に関する特定有害物質

 土対法の分析方法 溶出量 含有量

 特定有害物質の摂取リスク早見表

 特定有害物質による健康影響

 業種別に特定有害物質を検索

 (逆引き)物質→業種/用途を検索

 土壌汚染調査から汚染対策の流れ

 簡易土壌汚染チェック

 土壌汚染についてQ&A

 土壌汚染調査課の紹介
水文・水質の調査と機器計測
計測機器の紹介
このサイトについて
 企業概要

 お問合せ / 交通アクセス

 採用情報

 「アースビート」とは?

 プライバシーポリシー

 特定商取引に関する法律

 サイトマップ
放射線量計測調査
 放射線計測業務の受託のご紹介
 モニタリングデータ(リンク)
 放射線計測グッズ
 放射線の科学

環境基本法